lunarborの備忘録

CGソフトの使い方を記録しておけば自分とどこかの誰かに役立つだろう

3D-COATのUVセットとUDIMの互換性についての話(補足記事)

使用ソフト

  • 3D-COAT2022
  • Lightwave2020
  • Blender3.2

この記事はこちらの補足記事です

lunarbor.hatenablog.com

 

■3D-COATの言う"UVタイルサポート"とはどれくらい?


www.youtube.com

公式動画に”3D-COATはUVタイルをサポートする”とあるのですが、使用した感じ、自分がイメージした挙動と少し違ったので"サポート"とはどれくらいの範囲の事なのかを調べた記事です。

自分は「3D-COATでUV展開をしてUVセットを設定し、オブジェクトのエクスポート設定で"UVセットをタイルとしてエクスポート"にチェックを入れて書き出せば、LightwaveBlenderで読み込んだ時にUDIMが設定されており、UVセットの内容がUVタイルとして並んでいる。」と、イメージしたのですが違うようです。

 

公式フォーラムにある以下のトピックでこのようなコメントがあります。

技術的には、UV セットは UV タイルまたは UDIM とは異なり、3D-Coat は実際には実際の UV タイリングまたは実際の UDIM をサポートしていません。UV セットの使用は一種のエレガントな回避策です。

3dcoat.com

 

■インポートとエクスポートにあるオプションについて

 

検証したところ、モデルのインポートとエクスポートのオプションにあるUDIMと関係がある項目
"UVセットとしてタイルをインポート"

"UVセットをタイルとしてエクスポート"

はモデルを出し入れする時に必要な設定で、テクスチャだけを書き出すときは必要無いようです。

 

■3D-COATでUDIMのセットアップはできない

3D-COATでUV展開をしてUVセットを設定したオブジェクトを"UVセットをタイルとしてエクスポート"にチェックを入れてエクスポートしても、他のソフトで読み込むとUVタイルに並んだUVマップが壊れています。

※この画像はblenderですがLightwaveでも同様でした。

 

どうやら3D-COATはUDIMのセットアップ(UVタイルを並べる初期設定)は現在のところ出来ないようです。3D-COATがUDIMで対応しているのはペイントのみで、UV編集機能では対応していないというイメージです。

"UVセットとしてタイルをインポート"

"UVセットをタイルとしてエクスポート"

は、あくまでUDIMのセットアップが完了したモデルを3D-COATで読み込んだり、さらにそれを書き出したりする時に使う設定のようです。

 

■"UVセットをタイルとしてエクスポート"が使える条件

"UVセットとしてタイルをインポート"の使い所はわかりやすくイメージできますが、この仕様で"UVセットをタイルとしてエクスポート"の使い所はなんだろうかと、考えました。

"UVセットをタイルとしてエクスポート"が使える条件は

 

blenderlightwaveなどでUDIMのセットアップが完了したモデル」を3D-COATに"UVセットとしてタイルをインポート"にチェックを入れてインポートし、ペイント終了後にテクスチャとともにモデルもエクスポートする時。

 

ただ、この条件で必要なのはテクスチャだけである事が多いと思うので使い所は無いかもしれません。とりあえず、実際にエクスポートして他のソフトで読み込むと以下のような検証結果になりました。

3D-COATからlwo書き出し→Lightwave読み込み

設定したUDIMがリセットされる。UVマップはUVタイルの位置のままだがタイルごとに別のUVマップとして書き出される。UDIMにするにはもう一度UVマップをコピペしてまとめないといけない。

3D-COATからobj書き出し→Lightwave読み込み

UVマップは一つのままだが名前が"uvmap"に変わっている。

UVマップはタイルに並んでいるようだがマップが壊れている。

3D-COATからobj書き出し→blender読み込み

UVマップの名前は変わるが正しく読み込まれているようだ。

 

Blenderでは使えるが、Lightwaveではこの設定は使えないと考えたほうが良さそうです。

どうしてもLightwaveでこの機能が必要ならBlenderを経由するというフローになりそう。ただしBlenderからエクスポートする前にモデルの頂点を全て"統合解除"しておかないと、Lightwaveに読み込んだ時にUVmapが壊れます。その方法でLightwaveに読み込んだ後に全てのポイントをマージする。

 

■結論:基本的には"UVセットとしてタイルをインポート"のみ使う

"UVセットとしてタイルをインポート"を使いUDIMを設定したモデルをインポートし、ペイントしてテクスチャのみエクスポートするという使い方になりそうです。

だたし、自分が持ってないソフトと3D-COATが連携する時に"UVセットをタイルとしてエクスポート"が必要になる可能性は考えられます。