lunarborの備忘録

CGソフトの使い方を記録しておけば自分とどこかの誰かに役立つだろう

(Genoma2用スケルゴン)Z軸ボーンとジョイントボーンの違いとジョイントボーン用のカスタムシェイプの作成(配布有)

使用ソフト

  • Lightwave2020 

最近はリグ開発をしているのですが、最終的に"Genoma2"に落とし込もうと考えて試行錯誤を繰り返しています。モデラー"Genomaプロパティ""アイテム種類"から"ジョイント"を選択した際、使われているデフォルトのスケルゴン形状では変換後のボーンの配置がイメージしづらかったため、自分でカスタムシェイプを作ってみました。あまり需要は無いかもしれませんが、せっかくなので配布してみようと思います。

それと共に今回調べたLightwave3Dの2種類のボーンの仕様の違いをまとめておきます。

 

ジョイントボーンとZ軸ボーンの違い

Lightwave3Dでは"Z軸""ジョイント"、2種類の仕様の違うボーンが用意されています。アニメーション作業をLightwave3Dで完結するならこれらを混在して使うことも可能です。デフォルトの"Z軸ボーン"では回転軸がある部分から子に向かって接続が伸びる意匠ですが、"ジョイントボーン"では回転軸のあるボール状の部分(ジョイント)が本体で親に向かって接続が伸びる意匠になります。そのため"ジョイントボーン"を使った場合は"Z軸ボーン"を使用する際と比較してウェイトマップを指定するボーンがボーンチェーンの末端に向かって一つづつズレていきます。

"ジョイントボーン"は主にMayaで使われているボーン(スケルトン)の仕様に準じたものだと思われます。そのためこれらのボーンの違いを理解するのに役立った記事のリンクを張っておきます。

3dcgr2lab.com

Blenderのボーン(アーマチュア)は"Z軸ボーン"と同じ仕様なためMayaとBlenderのボーンを比較したこちらの記事は仕様の違いを理解するのに大変役立ちました。

www.yamato-tsukasa.com

ジョイントの配置は回転には関与しない

以下の画像は"ジョイントボーン""Z軸ボーン"で同じボーンチェーンを構築したものです。01、02はHPB回転が全て"0度"。03、04、05はピッチ回転が"45度"に設定されており、両者は機能として同じものになります。"Z軸ボーン"は見た目上、チェーンが切断されているように見えますが、ボーンに親子関係が設定されていればチェーンとして成立します。"ジョイントボーン"は見た目上、次のジョイントと接続されているので回転角度もそちらに向いているように思えますが実際は全く無関係です。逆に"Z軸ボーン"の向きは回転角度に準じた見た目になっています。

このことは"ボーンプロパティ"パネルの"ボーン種""Z軸"ボーンから"ジョイント"ボーンに変更すれば両者が同じものだと言うことがひと目で理解できます。

このことから"ジョイントボーン"の見た目上のボーンの向きはあくまでジョイント同士の親子関係を表したモノで回転の角度とは直接関係がないという事がわかります。ジョイント部分を移動することでボーンを配置しても回転角度は変わらない事を念頭においてリグを作成する必要があります。後に別記事で詳しく書くつもりですが、この事が"IKチェーン"を構築する際に必要になる"IK平面"の設定で"ジョイントボーン"の方に利点が出てきます。回転軸が平面上に乗っていなくても平行配置であれば"IKチェーン"を安定させることが出来るのですが、その場合"Z軸ボーン"だと見た目でチェーンが切断されたようになるのに対し"ジョイントボーン"を使えば見た目でもチェーンが繋がったままなので構造の把握がしやすくなります。

作成したカスタムシェイプの解説

Genoma2スケルゴンの"プロパティ""ジョイント"を選択した際に使われるデフォルトの形状は子に向かって接続するような意匠になっているためレイアウトでボーンに変換したときのイメージがしづらく混乱します。今回作成したカスタムシェイプは親に向かって接続しているのをイメージしやすくなるようにしたものです。

実際に使用すると以下の画像のような見た目になります。できれば矢形状の色を根本のボール形状の色と同じにしたい所ですが仕様上無理なため形状で変換後のボーンの配置をイメージしやすくすることを狙いました。ウェイトマップの指定には該当メッシュを貫通している矢形状の根本にあるボール形状を含むスケルゴンを選びます。これで多少は混乱を免れる事ができると思います。

配布ファイル

以下のリンクからDLしてください。zipを解凍して出てきたファイルをLightwave3Dがインストールされたフォルダの以下の場所に保存すれば"SetAppearance"で選択できるようになります。

Lightwave2020の場合

C:\Program Files\NewTek\LightWave_2020.0.3J\support\genoma\shapes

drive.google.com

 

Genoma2のスケルゴン形状の変更の仕方についてはこちらの記事を参照してください。

lunarbor.hatenablog.com

※只のオブジェクトファイルなのでトラブルがあるとは思えませんが、仮にこのファイルを使用して起きたいかなる損害や障害も責任を終えませんのでその点はご了承ください。

関連リンク

今回Genomaスケルゴンの色の変更には栗栖直也さんがブログで配布されている"krs_Set_GENOMA_Color"を使用させて頂きました。ありがとうございます。

同記事には他にも便利なスクリプトが紹介されていますので、ぜひ御覧ください。

handtomouse.sblo.jp

また派生したプラグイン愁さんが開発、配布されています。こちらも便利だと思うのでチェックしてみてください。

www.m-bros.net

 

だいちゃんさんがレイアウトでボーンの形状を維持したまま、ボーン種をボーン⇔ジョイントボーンに変換するスクリプトを作られています。

lsokiba.gjpw.net